2013年4月25日木曜日

そのひゃくにじゅうに

chap tuneのSoundCloudアカウントができました。アップロードが主目的ではなく、主に制作目的ですが。

、、、なんのこっちゃ分からんと思いますが、chap tune(チャップチューン)とは、ザ・ソロシップス、safarisとキャリアをともにしてきたkat-changと十代の頃にやっていたバンドです。
それを、うーんと、10年ぶりくらい?に再開します。ちなみに最後にやったのはザ・ソロシップスとの対バンでした。(ワシとかっちゃん未加入)

二人だけで音楽をやるのは、ワシ個人としてかなり劣等感がありました。「主」となるものはほとんどかっちゃん主体ではないか、とか、いろいろ勝手に考えてました。本人に話したら自分は何も考えてなかったって。

昔、十代の頃にカセットテープで作品を作りました。リキがそれを聴いて、後に「お前らは生まれてくるのが早かったんや」と言いました。
歌詞カードを両面にしたいが為に別々の紙を二人で端っこ持って糊付けして綺麗にくっ付くようにその上に布団を敷いて一晩寝る二人が果たして生まれるのが早かったのか…。

時代が追いつきました。いやいや、違う違う、我々があれこれ気づくのが遅かったの!
だって誰も教えてくれへんかってんもん。二十歳になったら国民年金払うって教えてくれたっけ?覚えてないだけかもしれませんが。

かっちゃんと出会って今年でちょうど20年経ちました。お婆ちゃん、叔父さん、お姉ちゃん、の次に付き合いが長いのがこの酒呑みです。
二人いろいろ変わりました。十代の頃の僕らは凄く、物凄く人間ではなかったです。二人して毎日、どうやってとっとと死ぬかって考えてました。

それはドライアイスよりも冷たく、更にもっともっと冷たく、冷たさで火傷するほどでした。

かっちゃんに劣等感を抱いたワシは、元々ベース弾きだったけど、どうしてもギターを弾きたくて、その修行のつもりでザ・ソロシップスに入れてもらいました。でも程なくして無理矢理かっちゃんをバンドに引き入れ、楽曲制作や練習に一年をかけてライブをやりました。

ザ・ソロシップスでのライブは最高に楽しいものでした。ライブの終わりには「終わりたくない」というワシの欲求の為に常にノイズだけ出す時間があったりして、もっともっと綴りたい思い出はあるけど、思い出は優しいからやめておきます。

ザ・ソロシップスは一般受けは悪かったけど、なぜか業界受けは良かったです。最初で最後の作品になった「過去え門アニマルプラネット」という作品を出してくれたファッキンレーベル以外にも、芸能プロダクションなどから誘いがありました。

アルバムを出す一年前にワシの母親に癌が見つかり、余命が短くて、その世代の人を満足させる為に必要なことは成功よりもただのしっかりとした過程だと勘違いしたワシは、バンドメンバーの一人一人の家に行き「東京でバンドをやりたい」と伝えました。

結果、それに賛同できなかったメンバーがいた為にバンドは解散しました。今だにあのバンドを潰したのはワシのせいだと思ってます。みんなに本当に申し訳ないと今も思っています。

そしてsafarisを始め、だんだんと音楽で生きるということに対し自分とみんなの価値観が合わなくなってワシはバンドを抜けました。

それからは一人で活動、といってもほとんどなにもしていないけど、マイペースでそれはそれでいいと感じています。


さて、chap tuneというバンド(二人だけだけどユニットとは思ってません)を再開しようと思ったのは、だんだんと自分の様々な意欲が出てきたことと、自分の音楽に対するスタンスがきちんと分かったこと、そしてかっちゃんという本物の天才を活かせる天才はワシだけだと思ったからです。

いろいろとかっちゃんと顔を合わせて話しました。とりあえず年内には二人で必ずライブをやります。作品は何年かかっても作ります。恐らく俺ら二人はどのミュージシャンも敵わない。自分たちの好きで尊敬するミュージシャンも、俺ら二人には勝てない。
それくらい思って挑みます。

お互い冷たく生きた十代を越え、もう三十代も半ば、「俺ら気づくの遅かったなあ」「だって誰も教えてくれへんねんもん」とばっかり二人して話しました。僕らにはようやく人並みの体温が宿りました。

二人して話した帰りにはワシはずっと泣いてました。泣くことなんて十代の頃はなかったのに、今はそんな簡単なことで泣くことができます。

生きててよかったなあ、かっちゃん。


chap tune、再開一曲目のタイトルは、


「Peace」