2013年4月28日日曜日

そのひゃくにじゅうご

昨晩、うちのマンションで火事騒ぎがありました。
「ボヤ騒ぎ」ってよく聞くけど、実体験は始めてやったから火事騒ぎ。

ワシの部屋のちょうど二つ下の部屋でした。けたたましい音の火災報知器が鳴り、みんな割とそういうのはイタズラか誤作動かとしばらく何もしないこともあるけど、ちょうど別件でイライラが最高潮に爆発していたので、イタズラや何かだとそのままやかってやろうとすぐに階段を降り(うちは最上階)、ただ本当に只事ではないかも分からないので携帯電話だけ握りしめて降りました。

やっぱり人はあんまり出てきていず、ドアから顔を覗かせるだけの人もいましたが、臭い。異臭がする。この段階では煙も見えなかったので、ひとりイライラ通路を彷徨い、自分の部屋から2フロア降りた部屋で若い女の子と鉢合わせし、その途端に一つの部屋のドアが開き、中から物凄い量の黒煙が辺りに散らばりました。

部屋は真っ暗だったので火は無い事がすぐ分かりましたが、すぐに女の子と部屋を除くと中からおっさんが「水、水」と言っていて、女の子は凄く果敢で部屋の中まで入って行ったのだけれど、ワシは色んな意味で「これは意味ない」と思い、自分の部屋へ戻りながら消防へ連絡し、ベランダ(広い)のドアを開け放し、バケツとランプを持ってまた下へ降りました。

その間、3分もなかったけれど、当事者の部屋の前には水がこぼれていて、女の子もおっさんも外へ逃げていました。その女の子がひとりで水をかけたかどうかは分からないけれど、同じフロアの人たちときっと協力して消火活動をしたのだと思います。勇敢やった。ワシは逃げた訳じゃないけれど、ある種ドライなので無茶はしません。死んでもいいとも言わないし、何かを助ける為にワシは死にませんな。


この間は本当に3分かかったかどうかくらいの短い時間。消防車はすぐに二台来て、「ああ、消防車は一通は無視していいんやわな」とか考え、あたふたしてる他のくそじじい達に管理会社へ連絡したかとか、消防の人を誘導しながらも、「こいうい訓練は実際にあってみるとほとんど意味がないな」と思ったり、念のために部屋から持ち出した現金の入っていない財布と、勇敢だった女の子との想いの違いと、その場にいるマンションの住人たち「あー、こんな色々な人がおんねや」ファイヤーマンたちの無茶苦茶かっこいい姿と、ワシの部屋とは真逆の屋上からタバコをふかして傍観してる馬鹿「あー、あいつ死なんかなあ」とか、新聞記者らしき姉ちゃんのがめついくらいの早い現場への到着に、「ああ、ワシは誰にも優しくないわ。むしなんてクソな人間!」なんていろいろ考えました。


火の手があがってかどうかは分からないけれど、本当に凄い黒煙だった。今まで火事のニュースを見て「一酸化炭素中毒で死亡」とよく報道されるけれど、あれはほんまにすぐ死ぬと思いました。きっとあの場にいた人間があのけたたましい黒煙を1分でも吸い続ければ、誰か死んでたとおもいます。だからあの時部屋に突っ込んで行った女の子は凄い勇気の持ち主だと思いました。ワシが先頭ならワシが先に行っていましたが、へなちょこなので倒れてたと思います。


消防隊の方たち、めちゃくちゃかっこよかったです。全部で30人くらいの人がいましたが、みんなかっこよかったです。マッポはまあ、、、マッポや。

ワシが通報したということと、誘導したということで住人の方が部屋に戻った後も残るように言われました。「ああ、これはきっとバームクーヘン貰える」って期待しましたが、消防からの聞き取りと職務質問だけでした。マッポはまあ、、、やっぱマッポやな。

その当事者のおっさんは一人暮らしで、ワシが毎朝ヒステリックになるくらい腹たつ『玄関ドアバタバタドデカイ音立て開け閉め夫婦』やったらこれにかこつけてきゃん言わしたるねんけど。ちっ。


怖くはなかったですけど、人は簡単に、思ってたよりももっと簡単に死ぬと思いました。


「まあ、誰も何事もなくて良かったです!」


なんて思いません。おかげで晩ごはん、ビスコ(40円の)やったぞ。2つ下のおっさん、今度うちの郵便受けにバームクーヘン入れとけよ。